お知らせ

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大田区立大森第一小学校の皆様に講演させていただきました ― 厳正寺の歴史と水止舞について

2026年5月12日、大田区立大森第一小学校4年生の皆様を対象に、地元・大森に伝わる厳正寺の縁起と、約700年にわたり継承されてきた伝統行事「水止舞(しししまい)」について講演する機会をいただきました。当日は、水止舞の方々より、笛・太鼓・法螺貝・龍の被り物・藁で作った龍など、実際に奉納で用いられる道具についての解説もいただきました。

厳正寺と法密上人

厳正寺は鎌倉時代に開かれた古刹で、開山は北条氏ゆかりの 法円上人 。第2世を継いだ 法密上人(ほうみつしょうにん) は、北条茂俊の子として生まれ、高野山にて真言密教を修めた後、伯父・法円上人のすすめにより念仏の道に入った人物です。

水止舞の起源 ― 1321年の旱魃と祈祷

水止舞の起源は 元亨元年(1321年) 、後醍醐天皇の御代に遡ります。
この年、武蔵国一帯で大旱魃が発生し、田畑は枯れ、人々は飢えに苦しみました。郷土の願いを受けた法密上人は、稲荷明神の像と龍神の形を造り、七日間の祈祷を行います。満願の日、海に舟を浮かべて龍を沖に沈めると、龍は波間に消え、ほどなくして恵みの雨が降り注いだと伝えられています。

ところが二年後の 元亨3年(1323年)、今度は雨が数十日にわたり降り止まず、田畑は水没。人々は他国へ逃れる事態となりました。そこで法密上人は三頭の龍を彫り、これを 「水止(しし)」 と称し、村人に龍の被り物をかぶらせ、太鼓と法螺貝を鳴らしながら舞を奉じさせました。すると雲は晴れ、雨は止み、稲は実ったと伝えられています。これが水止舞の起源 です。

奉納に用いられる道具

講演では、水止め舞の方々に現在も奉納で使用されている以下の道具をご紹介していただきました。
龍の被り物、藁製の龍、太鼓、笛、法螺貝。いずれも700年前の形式をほぼそのまま継承しているものです。

受け継がれる祈り

水止舞は単なる伝統芸能ではなく、天下泰平と五穀豊穣を願う郷土の祈りそのものです。現在も毎年7月、厳正寺にて奉納が行われています。次代を担う子どもたちに、地域の歴史と文化を伝える貴重な機会となりました。

厳正寺の境内では、ただいまつつじが見頃を迎えております。ご参拝の折にぜひご覧ください。